資産運用計画08.判断指標から株価水準を決める

経験則

上述したように、PERとリスクプレミアムから判断すると今の株価は割安で、その逆に、CAPEレシオとバフェット指数から判断すると今の株価は割高だと思われます。

意見が割れましたね。

では、私はどう考えるか。

まず、前提を申し上げると、経験則というか、肌感覚というか、あるいは直感なのかもしれませんが、そういうものも投資判断をするときに大切にしたほうがいいと思います。
自分が納得して投資をすれば、もし結果が裏目に出たとしても、精神的にはストレスが軽減されるものなので。
しかも、そもそも、個人投資家である以上、投じる資金は自分のものですから。

その上で、私は「人間観察」がいいヒントをくれるのではないかと信じています。

株式市場も需要と供給で成立しており、株を買いたいという人(需要)が増え、株を持っている人(供給)はまだ上がるので売りたくないと思えば、株価はどんどん上昇します。
世の中で大勢の人が「株は絶対に上がる」「今買わないと儲け損なう」と思い始めると、ピークの一歩手前という状況でしょうか。

その典型が「靴磨きの少年」の逸話(これも人間観察の話ですね)であり、最近ではマスコミやネットが大騒ぎをしたビットコインです。
日本のバブル時代、まだ私は株式取引を始めていませんでしたが、テレビ番組などで「不動産取引で幾ら儲かった」「株でこんなに利益をあげた」という話が盛んに放送されていたのを思い出します。

なので、そこまで極端でなくても、今まで株式に興味がなかった人が「株に詳しいんでしたっけ?」「株のことを教えて欲しいんですけど」と言ってくると「おや?」と思うし、そういう人が増えてくると「あれれ?」と感じます。

もし、電車の中で知らない人が株の雑談をしている場面に多く出くわせば、それは結構ヤバい状況なのかもしれません。

もちろん、今の状況でそこまで株の話題が世の中に溢れているわけではありませんので、念のため。

私の結論

私の感触だと「今のところは何とか大丈夫そうだけど、もう少し熱くなるとちょっと危ないかも」みたいな感じでしょうか。

なので、経験則は引き分け。

PERとリスクプレミアムはともに「1年間の予想利益」の影響を強く受けるので同じグループだと仮定して1勝。

CAPEレシオとバフェット指数で2敗。

したがって、1勝2敗1分け。

総合すると、現時点の株価水準は「やや割高」という感じでしょうか。

みなさんのお考えはいかがでしょうか。

続きます