『フィッシャーの「超」成長株投資』(フィリップ・A・フィッシャー著)

いま、そこにある投資チャンス

優良株はいつ買っても良い

19世紀から20世紀の初めまでは金融システムが不安定で景気が激しく変動したので人々は不況時に株を買って好況時に売るという景気循環に賭けることで資産を増やした(1913年に連邦準備制度(FRS)が制定されて金融システムは安定する)。

しかし、このような時代にあっても真に優れた企業の株を買って市場の変動とは無関係に長期保有したほうが遥かに大きな利益を得た。

飛び抜けた将来性を持つ企業であれば、大暴落で株価が大底を打った日でなく、どの年に買っても結局は大きな利益を生むことになる。

しかもケインズ政策の採用によって1932年以前のように株券が紙屑同然となる事態は発生せず、単に持ち株の市場価値が一時的に低下することを覚悟するだけでよい。

債券は短期投資向き

好景気には優良株は債券の運用成績を上回る。
不景気になると一時的に債券の運用成績は向上するが、ほぼ確実にインフレが発生するので債券投資では十分な利益を得られない。
したがって債券は長期投資には向かない。

優良株

同業他社の平均を大幅に上回る売上高と利益の伸びを何年にもわたって維持できる特別な企業に投資すべき。企業の規模は関係ない。

投資家よ、外に出よ

興味を持った企業について、納入業者、顧客、競合企業あるいは元社員の人たちに会って「聞き込み」をすること。

最高の株を選び出すための15のポイント

現在の製品/サービス

向こう5年間、企業の売上高に大きく貢献する製品/サービスを保有しているか。

将来の製品/サービス

経営者は現在の製品/サービスが飽和することを想定して、次の製品/サービスの研究開発を実施しているか。

研究開発の成果

売上高の何%を研究開発に投じて何倍の利益を得ているか。

営業力

製品/サービスが売れなければ企業は存続できない。製造・営業・研究が卓越した力を持つことが企業の成功条件。

現在の利益率

投資家にとって売上高が大きくても利益を増えなければ何の意味も無い。利益率の低い限界的な企業には手を出さないのが鉄則。

将来の利益率

経営改善によって利益率の向上を図っているか。

労使関係

転職率が高い企業はそうでない企業に比べて無駄な経費を払っている。

管理職の労働環境

優良企業では派閥主義ではなく上級管理職が経営層を信用して気持ちよく仕事をしている。

優秀な管理職人材

投資する価値のある企業とは成長し続ける企業。内部で優秀な管理職を育てることが必要。
そのためには権限委譲することが重要。経営方針に反する意見でも聞く耳を持つような風通しの良さも大切。

コスト管理と財務分析

聞き込みによって得た数字の正確性は分からない。しかし、他の業務分野で平均的な水準を超えるレベルの会社は、経営者が緻密な財務管理と経費分析の重要性を理解している限り、経理分野でも平均以上のレベルにある。

コアコンピタンス

競争力を維持するために、製造技術、販売網とサービス組織、得意客、消費者に関する知識(サプライチェーン)は十分あるか。

なお、特許は永久的ではなく、大企業が利益率を維持するために特許に頼るようになったら危険な兆候。

収益に関する長期的な展望

短期的に利益の最大化を図る企業もあれば、長期的な視野に立って利益を高めていく企業もある。両者の違いは、顧客や仕入先との対応に表れる。投資から最大の成果を望むのであれば、真の意味で長期的な展望に立って収益のことを考えている企業を選ぶべき。

企業体力

成長のために増資をする必要があれば既存株主の利益を大きく損なう恐れがある。発行済み株式数が増えれば1株当たりの利益は希薄化される。

安いというだけで企業の株を買うのではなく、大きな利益を約束してくれる場合のみ株を買うべき。

超優良企業の場合は現金と借入余力の合計が今後数年間の成長に必要な資金をまかなうに十分かどうかに注意を払えばよい。

経営者の能力

困難な状況に陥ることや、市場の期待を裏切るような出来事が起きることは避けられない。問題は、そういう時に経営者が十分に説明責任を果たしているか否か。
悪いニュースの隠蔽を図るような企業は投資対象から除外するほうが賢明。

経営者の資質

経営者は合法的に私腹を肥やす方法が幾らでもある。例えば、身内を雇用したり親族の企業と取引したり自らにストックオプションを乱発する等。
このような経営者がいる企業は、他の全ての点でどれほど優れていたとしても決して投資の対象にしてはいけない。

何を買うべきか

『超』成長株を買え

最高の投資方法とは最小のリスクで資産を最大化すること。

一般の人たちが優れた投資法の鍵を握るものと思いこんでいる財務統計分析を使ってできることは、かなりの労力を注いだあげくに、現在は割安だと判断できる銘柄を見つけ出すくらいのことでしかない。本当の掘り出しものもあが、後になって大きな問題を起こすような会社も含まれている。これは単に統計を研究しているだけでは予測できない。

割安株はせいぜい5割引のバーゲン品でしかない。成長株は10年間で数百%も株価上昇する。

優良株と小型株

投資対象を分類してタイプ別に並べると、一方の極は、今後も大きな成長が見込める上に財務力の強い優良株。もし値動きの判断を誤って損切りしなければいけない場合でも損失は最小限で済む。

他方の極は、おそろしく将来性の高い製品を開発している小さな企業。長期投資の点から見ると有望な投資対象となる。

格別に大きな利益をもらたしてくれる可能性があるのは新興企業の成長株。しかし時には失敗も覚悟する必要がある。この種の株で失敗をすると投下資金を全て失うこともあるので肝に銘じておくべき。

資金配分

資金の大半は、ダウケミカル・デュポン・IBMのような大企業かそちらの極に近い企業に投入すべき。しかし比率は人それぞれの事情によって異なる。

50万ドルの資産があり子どものいない未亡人なら資産の全額を保守的な成長株に投資。

現在40万ドルの投資をしているビジネスマンで年間1万ドルの追加投資ができるなら40万ドルは保守的な成長株に投資し毎年1万ドルをリスクの大きな企業(小型成長株)に投資。

いずれにしても、リスクの大きな企業に投じた資金が全て失われても十分に穴埋めができるよう、一方で堅実な成長企業にも投資をしておくこと。

個人投資家へのアドバイス

運用資産が少ない個人投資家には2つの選択肢がある。1つは株式を買い付けた年度から毎年数百ドルの配当金を確実に受け取る道。もう1つは何年か後にその何倍、何十倍もの投資利益を手にするチャンスをとる道。

どちらを選ぶかは、その人の収入の額や性質を含めた資産状況や、その人の考え方によって異なる。

しかし、あえて著者(フィッシャー)の個人的なアドバイスを述べるなら、後者—つまり、何年あるいは何十年後に巨大な利益を手にし、やがては子供たちに莫大な資産を残す投資を勧めする。しかし、成功するためには2つの要素が必要。1つは本書の原理をどれだけ巧みに応用できるか、もう1つは「幸運」である。

ある程度の資金があれば、複数の有望な希望に投資できるので、銘柄ごとの運と不運の影響は相殺され、実質的には運から受ける影響を無視することができる。

いつ買うべきか

仮に1929年の夏(大恐慌の直前)に株を購入したとしても、それらが最高の成長力をもった企業であれば、やがては満足のいく投資成果を得られた。しかし、購入のタイミングを考慮していれば、莫大な利益を上げることができた。

経済予測は無意味

経済予測は(少なくとも本書執筆の時点では)役に立たない。経済予測を元にして売買は無意味。

①成長企業が失敗した時

圧倒的な成長力をもつ企業は、何らかの形で科学技術の最先端で仕事をしている。新製品の生産工場を立ち上げる時に失敗することは稀ではない。そういう時に失望売りが広がるが、実はその時がその株の最大の買い時かもしれない。

②復活株(ターンアラウンド株)

シアナミド社やフード・マシナリー・アンド・ケミカル社のように、一時は高い評価だった企業が証券アナリストによって低い評価を与えられ株価も低迷していたが、その後、優れた経営者によって復活するパターンも多い。改革案が適切なものであれば、その累積効果によって企業収益が成長する。

③優良企業の一時的なトラブル

ミドル・ウェスタン社のように労使交渉のトラブルで一時的に株価が暴落することもある。並外れた能力をもつ経営者がいる企業が永続的でない一時的なトラブルを抱えて株価が下落した時は安心して株を買うタイミング。

評価益があれば市場動向は無視できる

どれだけ優良な企業の株でさえ、高値から40%や50%は下落することがある。

しかし、こうした株式暴落によるリスクも、適切な時期に株を買うということを長期にわたって続けていれば容易に回避できる。つまり、早い段階で株式を購入していればそれらの株はかなりの評価益があるので、大恐慌前のような波乱の予兆が明らかな特殊な時期を除けば、景気予測や市場動向の予想などは一切無視して、厳選した銘柄が買い時だと思えば部分的な売却代金や新しい資金ですかさず資金を投入すればよい。

初めての投資

有望な株を買うタイミングだと思えば直ぐに購入すべき。ただし一度に資金を全額注ぎ込んではいけない。

何年かかけて手持ちの資金を徐々に株式に投じていくように計画すること。そうすれば、株価の下落を有利に活かせる資金力を残しておける。

株価を決定する5つの要因

株価を決定する要因は5つある。①景気循環、②金利動向、③投資や民間企業に対する政府の基本的な態度、④長期的なインフレ傾向、および⑤旧産業をおそう新時代の技術革新。

これらの5つの要因が同時に同じ方向に動くことはめったにない。また、常に1つの要因が長期に渡って他を圧倒することもない。これらを的確に予想することもできない。

なので、一見すると危険に思えるが実は最も安全な道とは、投資を続けることである。投資している企業に確信を持てる限り、憶測に基づく恐怖心から売却してはいけない。

いつ売るべきか

株を売る3つの理由

株を売る理由は3つしかない。①投資対象を選択した時点で判断を間違えていた、②株式を購入した後に企業の状態が悪い方に変化した、③他に有望な成長株を見つけたので乗り換える。

①は躊躇せずに直ぐに売却すべき。

②は急ぐ必要はない。

③は本当にそうすべきか慌てずに熟慮すること。

暴落説に惑わされてはいけない

市場が暴落するかどうかは予測できない。恐怖感から優れた株を売るのは間違いである。

多くの投資家が弱気相場を恐れて株を処分し、その先数年間に渡って手に入れられたはずの大きな利益を捨ててしまう。下げ相場が本当にやって来ても、自分が売った値段よりも安く買うことができた例は著者(フィッシャー)が見て来た限りでは10に1つもない。

売ってはいけない株

時が経つほど大きな価値を生み出してくれる株は決して売ってはいけない。既に大きな含み益を得ていれば、例えば35%ほど下がったとしても深刻な問題ではない。大切なのは、一時的な含み益の減少を恐れることではなく、持ち株を売らずに保有し続けること。

売却の馬鹿げた理由

所有する株がすでに大きく値上がりし、ずいぶんと上昇力を使い果たしているので、株を売却するということほど馬鹿げたことはない。

突出した成長力を持つ企業だけを買っていれば、そのような理屈は通用しない。

成長力のある企業を選ぶというのは、大学を卒業した時に優秀で出世をしそうな同級生を選ぶのと同じ。大きな含み益がある成長企業というのは、卒業後に大きな会社に入って昇進を重ねている状態。幹部になる可能性が高いのに、それを見切って、上昇余地が大きいという理由で未だに出世できていない他の凡庸な同級生に乗り換えることはありえない。それと同じく、株価が上昇している成長株を売却して他の平凡な株を買うことなどありえない。

売り時など存在しない

正しく選び抜いて買った株には、売り時などほぼ存在しない。

配当の正しい考え方

配当の有無は小さな問題でしかない。配当方針が一貫していればそれで良い。

賢い投資家になるための5「don’t」

設立して間もない会社の株

投資対象としての基本的な要件は、①営業活動を始めてから少なくとも2-3年は経過し、②既存の企業とはまったく違った分野で利益が出始めてから1年以上経過。

経営基盤が確立されていない新しい会社は、将来の設計図を頼りに問題点や評価すべき点を推測するしかなく、誤った結果を下してしまう可能性が極めて高い。

既に計益基盤が確立した企業の中にも素晴らしい投資のチャンスは十分あるので、個人投資家は、設立間もない企業には決して投資をすべきではない。

非上場株

非上場株という理由だけで優良株を無視してはいけない。

株式市場は1920年代には少数の金持ちが信用取引で短期的な利益を得るギャンブルであったが、現在(1950年代)は大衆が長期保有しており法的な整備も整っている。
非上場株(店頭銘柄)に関して投資家が守るべきルールは、上場銘柄を選択する場合と変わらない。

※株式投資型クラウドファンディング、フェニックス銘柄制度、株主コミュニティ等が該当。

アニュアルレポート

アニュアルレポートの書き方が気に入っただけで株を購入してはいけない。

アニュアルレポートは会社のイメージつくりを担当する広報部の技術が少し過剰に働いている。レポートは株主の好感を得ようとして作られているので、レポートの向こう側に隠された真実こそが株主にとっては重要。

高PER企業

急成長をしている企業のPERが高いのは当然。しかし現在の収益源に匹敵するような新たな収益源を開発していなければ、現在の高PERは一時的で急成長が止まれば平均的なPERで取引される(つまり株価にはマイナス要因)。

しかし、新たな収益源を開発していれば、世の投資家が思い込んでいるほど未来価格を織り込んでいないので、一見すると高すぎるように思える株の中にも実は最高に安い買い物が含まれている。

指値と成行

少しの値段の違いにこだわってはいけない。

数百株単位で買っていくような個人投資家は、ほんとうに良い株で、しかも現在の株価がかなり安いと思うなら成行で買うこと。僅かな価格差は、その株を買い逃して取り損ねる利益に比べれば大したことはない。ただし、何千株単位で買うときはこの限りではない。

さらに賢くなるための5「don’t」

行き過ぎた分散投資

確かに、1つの籠に全部の卵を入れてはいけない。しかし、籠を増やしすぎると、魅力的な籠を探し出すことは出来ない。全ての籠に目が行き届かなくなるのも問題。

自分が知っている少数の銘柄に集中投資するよりも、分散投資にこだわって自分が知らない多数の会社に投資するほうが遥かに危険。

大型で安定した成長企業であればポートフォリオの最大20%程度。それよりもリスクがある企業であれば最大10%程度、事業規模が小さい企業であれば最大5%程度が妥当。

ポートフォリオに長々といくつもの企業名が並ぶのは、優秀な投資家のしるしではなくて、自分の投資判断に自身をもてないことの表れ。最高のものを手に入れることに意識を集中すべき。ありふれた企業の銘柄を余計に持っていても少数の最優良株の粗末な代用品でしかない。

恐怖心

戦争を恐れるあまり株を買うことまで怖がってはいけない。

世界のどこかで大きな戦争が起きるたびに株式市場は暴落を起こす。しかし、危機が去ると市場は急反発を見せ、株価は戦争前よりも遥かに高くなる。

戦争の脅威から株価が暴落を始めたとしたら、恐怖心を振り払い、確固として買い始めるべき。

過去ではなく未来

株価は、その時点でその株に関心を持つ人たちの考えが合わさって一種の総意として受け入れられた市場価値である。

過去の株価や過去のEPSを見ても意味が無い。重要なのは株価の背景にある企業の変化であり、今後何年かの間に何が起こるのかを知ることが大切。

株価以外の購入判断ポイント

企業を詳細に調査し、たとえば「試験工場が稼動を始める1か月から株価が上がる」という判断をしていれば、現在の試験工場のスケジュールから逆算して株を買う年月日を決めることも可能。

群集に呑み込まれてはいけない

証券業界の考えが一方に傾いている時に多数派の意見に呑まれることなく自分自身で考えて正しい答えを導き出せれば投資家は利益を得られる。

人気のある企業に投資を考えているのであれば、今後も人気を維持できる内容を備えた企業なのか、一時的に人気化しているだけの企業なのかを見極める必要がある。

徹底的に絞り込む

経営の改善を図るために使う分析方法(経営分析)を採用して、投資先の判断をすべき。

株式投資の要諦

「人の成すことには潮時というものがある。うまく満ち潮に乗れば成功するが、その期をのがすと、一生の航海が不幸災厄ばかりの浅瀬につかまってしまう」(ウィリアム・シェイクスピア)。

There is a tide in the affairs of men.
Which, taken at the flood, leads on to fortune;
Omitted, all the voyage of their life
Is bound in shallows and in miseries.

読後感

読みたいと思いながら後手に回っていたのが本書です。

と言うのも、偉大なるウォーレン・バフェットに興味があって色々と書籍は読んでいるものの、バフェットは秘密主義でなかなか本当のところを理解できていませんでした(バークシャーハサウェイの株主には勿論、奥さんや子供達にも投資手法は絶対に喋っていません。バフェットが自分のファンドを解散して当時二流の紡績会社であったバークシャーハサウェイを投資会社に作り変えようとしてファンドの旧出資者から株式を密かに買い集めていた時、バフェットの娘さんは何も聞かされてなくて安い価格で市場売却しています)。

唯一のヒントは、バフェット本人がかつて語った「(自分の思考法は)グレアム85%・フィッシャー15%」にあります。

言うまでもなく、グレアムとは『証券分析』『賢明なる投資家』の著者であるベンジャミン・グレアムのことで、バフェットはネブラスカ大学在学中の19歳で『証券分析』を読み、グレアムを追いかけてコロンビア大学ビジネススクールで学び、卒業後はグレアムの下で働くことを熱望しました(バフェットは無給でもいいから働きたかったがグレアムは当時差別されていたユダヤ人の仕事を確保するためにバフェットの申し出を断りました)。

『賢明なる投資家』を含めてグレアムに関する書籍を幾つか読みましたが、グレアム流のファンダメンタル分析は「広く浅く」のイメージが強くあります。具体的には、安全域(Margin of Safety)が十分にある時に、財務諸表をメインにして(個別の深い調査は余りせずに)数をこなして多くのシケモク銘柄を購入するという感じでしょうか。成長株についてもどちらかというと否定的な印象があります。

で、バフェットの投資術というのは、初期においては師匠のグレアムに近いのですが、少なくとも著名になって以降の数十年の投資方法は初期とはがらっと変わっています。それは、皆さんご存知のように「バーゲン価格」「集中投資」「成長株」「長期保有」という概念に代表されます。

この3つのうち「バーゲン価格」はグレアムの考えに忠実ですが、「集中投資」「成長株」「長期保有」はフィリップ・フィッシャーの考え方だということが本書を読めばよく分かります。もう少し細かく、独断でグレアムとフィッシャーの考えを比べると、

  • バーゲン価格:グレアム◎/フィッシャー△
  • 集中投資:グレアム○/フィッシャー◎
  • 成長株:グレアム△/フィッシャー◎
  • 長期保有:グレアム○/フィッシャー◎

という感じでしょうか(少し主観が強いかもしれませんが)。

こうやって見比べるとバフェットの「グレアム85%・フィッシャー15%」というのは正直なところ疑問に感じるのですが、バークシャーハサウェイの意思決定は必ずしもバフェット1人によるものではなく、盟友であるチャーリー・マンガー(言うまでもなくフィッシャー流)の存在を加味すると、確かに腹落ちします。

グレアムの『賢明なる投資家』と本書(『フィッシャーの「超」成長株投資』)の両方に言えることは、昔の本であるにもかかわらず、日進月歩の株式投資の世界でも色褪せないという点でしょうか。株式投資の本質を捉えており、文字通り「不朽の名著」だと思います。

ただし、仮に丸パクりで実践すれば大儲けできるのかと言えば、報告されたアノマリーはマネをする投資家が続出してエッジを失うのと同様、グレアムやフィッシャーのオリジナル手法を実践することから得られる超過収益はもはや存在していないと考えるのが妥当でしょう。

しかし、逆に言えば両者は既に投資の基本であり常識でもあるので、理解をしていなければ超過損失を出してしまうということでもあります。時間が許せば、ぜひ、原典の一読をお勧めします。

(了)