【補足】効率的フロンティア曲線の作成手順

2つの資産クラス

2つの資産クラスで構成されるポートフォリオの効率的フロンティア曲線をExcelで作図する方法はそれほど難しくありません。

たとえば、「国内株式」と「先進国株式」の2つの資産クラスから成るポートフォリオがあるとします。

このうち「国内株式」の構成比率を「0%」「5%」「10%」…「90%」「95%」「100%」と変化させていけば、必然的に「先進国株式」の構成比率は「100%」「95%」「90%」…「10%」「5%」「0%」となるわけで、つまり「国内株式0%・先進国株式100%」から「国内株式100%・先進国株式0%」まで計21回の計算をして、その「リスク」と「リターン」の計算結果をグラフ化すれば作図ができます。

たとえばこんな感じでしょうか。

3つ以上の資産クラス

ただし、3つ以上の資産クラスで構成されるポートフォリオの場合は、事情が少し異なります。

結論から言えば、下記の3つの手順を踏む必要があります。

 (1)「リスク」を計算するExcelファイルを用意する。
 (2)ソルバーで最適解を求める。
 (3)VBA(Excelのマクロ)で上記のソルバーを繰り返す。

その結果は、たとえばこんな感じです(赤い曲線)。

(1)「リスク」を計算するExcelファイル

基本的には、すでにご提供している下記のファイルでも対応できます。

リスク算出20181019.xls (233 ダウンロード)

ソルバーやVBAに対応したバージョンは下記になります(VBAを含んでいるので警告が出る場合があります)。

効率的フロンティア曲線20181207.xls (31 ダウンロード)

(2)ソルバーで最適解

ソルバーはExcelに付属しているアドインのソフトです。
Excelを利用できるPCであれば無料で利用できるはずですが、PCの使用環境やExcelのバージョンなどによって導入手順は異なるみたいです。

なので、ソルバー自体のインストール方法はここでは割愛するので、お手数ですが皆さんご自身でググるなりしてご対応ください。

で、(無事にインストールできた後の)実際のソルバーですが、たとえば下図のように設定します(「制約条件」の部分が1枚に収まらなかったのでスクロールしました)。

目的セル

ソルバーを使う目的は、ポートフォリオの「リターン」を算出することなので、「目的セル」にはセル【C25】を設定します。

目標値

リターンは大きいほど好ましいので、ここでは「最大値」を選択します。

変化させるセル

ポートフォリオにおける資産クラスの構成比率を変化させるので、ここではセル【C4】から【C10】までを指定します。

制約条件

まず、それぞれの資産クラスは(空売りしないという前提に立てば)構成比率はマイナスにはならないので、「構成比率≧0」という制約条件を設定します(各資産クラスごとに計7行)。

また、すべての構成比率を足すと(当然ですが)100%になるはずなので、セル【C11】の値が「100」になるように制約条件を加えます。

最後に、「想定リスク上限(%)」の値をセル【Q3】に入力するという前提で、「セル【C58】=セル【Q3】」を追加します。

これで、ソルバーは「リスクの上限がこれぐらいという前提のもとにリターンが最大になる構成比率をシミュレーションして計算する」という作業をしてくれます。逆にこの最後の条件が無いと、ソルバーは「リスクに関係なくリターンが最大になる構成比率を計算する」ことになるので、忘れないように設定してください。

実行

上述のとおり設定し、たとえばセル【Q3】に「8%」を入力してソルバーを実行すると、こんな感じになります。

同様に「9%」だとこんな感じですね。

(3)VBA(Excelのマクロ)

たとえば、セル【Q3】に「4%」「4.2%」「4.4%」…「24.6%」「24.8%」「25%」と値を入力しながら上記のソルバーを何度も実行し、そのときの「リスクとリターン」のペアをマッピングすれば効率的フロンティア曲線が得られます。

もちろん手作業でソルバーを繰り返して実施しても問題ないのですが、「リスクとリターン」の値を毎回メモする必要があったりして少し面倒なので、簡単なVBAを作ってみました。

セル【P7】【P8】の場所にある「シミュレーション実行」ボタンを押すと、ソルバーを自動的に繰り返し実行します。ただし、ソルバーの検索結果画面がポップアップで毎回表示されてしまうので、手動でリターンキーを押す必要があります。

結果はこんな感じになります。

おまけで簡単なグラフも付けました。普通のExcelファイルなので、たとえば構成比率などについても各自ご自由にグラフ化できます。

以上、数ヶ月放置している間に多くのアクセスとダウンロードを頂戴していた(ありがとうございます)ので、少し説明不足だと思っていた「3つ以上の資産クラスで構成されるポートフォリオの効率的フロンティア曲線の作図方法」について補足をしてみました。