VWO(新興国株式)の構成比率と人口増減予想(2050年)

新興国の株式としてVWO(バンガード・FTSEエマージングマーケッツ)を購入しているのですが、中国の構成比率が高く、なおかつ中国は人口減少の予測がよく報道されているので、何となく気になっていました。

たまたま国連の推計人口(World Population Prospects 2017)のデータを目にしたので、これを機にVWOを構成する国別の構成比率(VWOにおけるウェイト)と推計人口を一つの表にまとめてみました。ちなみに、ここでは2015年の人口を「1」とした場合の2050年の推計人口を表しています(計算ミスがあればご容赦ください。なお同様の計算をすると日本の推計人口は0.850倍になります)。

国名 構成比率 推計人口
中国 China 32.6% 0.977
台湾 Taiwan 14.4% 0.970
インド India 11.8% 1.266
南アフリカ Southern Africa 7.9% 1.351
ブラジル Brazil 7.7% 1.130
タイ Thailand 3.8% 0.953
ロシア Russian Federation 3.6% 0.923
マレーシア Malaysia 3.3% 1.356
メキシコ Mexico 3.3% 1.305
インドネシア Indonesia 2.4% 1.245
フィリピン Philippines 1.5% 1.484
ポーランド Poland 1.4% 0.846
チリ Chile 1.4% 1.166
トルコ Turkey 1.2% 1.220
アラブ首長国連邦 United Arab Emirates 0.8% 1.436
カタール Qatar 0.6% 1.517
コロンビア Colombia 0.5% 1.134
ギリシャ Greece 0.4% 0.889
ハンガリー Hungary 0.4% 0.845
ペルー Peru 0.3% 1.325
チェコ Czechia 0.2% 0.948
エジプト Egypt 0.2% 1.629
パキスタン Pakistan 0.2% 1.615

単に人口が増加すればいいというわけではありませんが、新興国の株式はその国の成長力に期待するという側面が大きく、人口は成長エンジンの重要な要素の一つだと考えれば、やはり気になります。

構成比率が1%以上の国では、中国・台湾・タイ・ロシア・ポーランドの人口がマイナスになっています。

特に、構成比率が上位2ヶ国の中国と台湾(計47%)がともにマイナスであるため、構成比率で加重平均した場合のVWO全体の推計人口は2050年で1.099倍となり2015年から10%の増加にとどまります。

もし仮に上位2ヶ国を除くとVWO全体の推計人口は2050年で1.211倍となって2015年から21%の増加となり、両国がある場合に比べて約2倍になります。

なので、できれば新興国ポートフォリオの中で中国や台湾の比率を下げたいのですが、各国のETFをばらばらに買うという案はそもそもETFが存在しない国があるか、存在していてもiシェアーズなどのETFのため管理費が高いという問題があり、現実的ではありません。

やはり、VWOの年0.12%という低い管理費は魅力的です。

たとえばVWOを残したまま、中国のインバースETF(たとえば中国H株ベア上場投信(1573))を購入して相殺する(構成比率を下げる)という案もあるのですが、インバースETFの管理費がやや高い(0.85%)のは我慢できるとしても、出来高が少ない(昨日は480株)ので、実行するには躊躇します。米国市場に上場している同様のETFも出来高は高くありません。

結局、VWOの管理費がとても魅力的なので、小細工をせずにVWOを買って我慢するということでしょうか。

それでも少しだけオリジナリティを加えるなら、たとえばILF(iShares・ラテンアメリカ40ETF/管理費0.48%)を買って人口増加がプラスの南米諸国の株式だけを付け加えることも可能です。管理費も何とか我慢できる範囲内だと思います。

同じような視点から、人口増加に着目してEWM(iシェアーズ・マレーシアETF/管理費0.47%)、EIDO(iシェアーズ ・インドネシアETF/管理費0.59%)、EPHE(iシェアーズ・フィリピンETF/管理費0.59%)、TUR(iシェアーズ・トルコETF/管理費0.59%)などを検討するのもいいかもしれません。管理費には注意が必要ですが。

【2019年04月23日追記】

管理費(経費率)の値下げを反映しました。