投資で期待できる儲けは「年5%」

すでに述べたように、「投資」とは「お金を投じて資産を買う」ことです。

普段なにげなく「投資」や「資産運用」という言葉を使います。このブログのタイトルにも出てきますね。では、その「投資」や「資産運用」とは、どういう意味なんでしょうか。 読んで字のごとく、「投資」とは「お金を投じて資産を買う」ことを言います...

また、「資産」とは「お金を産む」ものでした。

すでに述べたように、「投資」とは「お金を投じて資産を買う」ことでした。 では、そもそも「資産」とは何のことでしょうか。 資産とは 「資産」という言葉を「資」と「産」の漢字に分けてみると理解しやすくなります。 まず「資」という...

では、実際の投資(資産運用)はどれぐらい儲かるのでしょうか。

日本の株式では、過去半世紀ぐらいだと、皆さん異口同音に「年5%から6%ぐらい」だとおっしゃっています。

また、株価が高いか低いかの指標としてPER(Price Earnings Ratio / 株価収益率)がよく用いられるのですが、株価が高くも安くもない目安として「PER16倍ぐらい」だといわれます。逆にいうと、想定される期待リターンはPERの逆数なので「年6.25%」になりますよね。

JPモルガンの2018年における長期予想だと「日本大型株4.75%」「日本小型株5.25%」なので単純平均で「年5%」になります。その他、先進国株式「年4.5%」、新興国株式「年6.5%」、米国不動産(リート)「年4.75%」、米国以外の不動産(リート)「年6.5%」を予想しており、概ね年5%前後となっています。

株式投資や不動産だと投資リターンはざくっと5%ぐらいという感じでしょうか。

『21世紀の資本』(トマ・ピケティ)

数年前に、フランスの経済学者であるトマ・ピケティ氏が『21世紀の資本』という大著を出版して日本国内でもベストセラーとなりました。

彼の言いたいことは「資本主義は不公平なので政治的に所得再分配をしないとダメ」という提言でした。説得力を持たせるために、彼は資本主義が始まってから今までの二百年余りの統計データを詳細に調べ上げて、

  • 土地・株式・債券などが生み出す儲け(資本収益率)は「年5%」程度
  • 労働によって得られる所得の伸び(経済成長率)は「年2%」程度

であることを示し、資産家(ブルジョア)と労働者(プロレタリア)の経済的な格差は拡大していく一方であることを証明しています。

で、ピケティ氏の成果を摘み食いさせてもらうと、過去200年余りで土地・株式・債券などが生み出す儲けは「年5%」程度だということが分かります。

これは説得力がありますよね。

とりあえず、投資の期待リターンは「年5%」

もちろん、ピケティ氏の成果を含めて、過去の実績は必ずしも将来のリターンを保証しません。

また、JPモルガンの長期予想も「期待リターン」でしかなく、何ら保証がないことは明らかです。

ただし、専門家を含めて皆さんが「年5%」という値を口にしていることは注目に値しますよね。これ以外に頼る数字が見当たらないので、投資によって「期待」できる儲け(リターン)として「年5%」を仮置きするのは合理的な判断ではないでしょうか。