投資の対象として「何を買うか?」

何を買うか — これが投資の世界ではもっとも大きな地雷です。

なぜなら、世の中には「初めから負ける商品」「買ってはいけない商品」というものが存在するからですね。

間違ってそれらを買ってしまうと、その時点でほぼアウトです。よほど強運でなければリカバリは難しいでしょう。

情報弱者は地雷を踏みやすいので注意

問題は、「買ってはいけない商品」の情報がネット上にはあまり存在しない、あるいは存在していても検索エンジンの検索結果で下位に沈んでいるということです。

そんなネガティブな情報を声高に叫んでも金銭的なメリットはないし、むしろ営業妨害だとクレームをつけられる可能性さえあります。

発言力のある人なら、むしろ(少しぐらいは怪しくても)ポジティブな情報として発信してアフィリエイトで小銭を稼ぎたいと思うのも人情かもしれません(私の性格だと絶対に嫌ですけど)。

たとえば、有名な詐欺である「M資金」なら声高に「詐欺だ!」と言っても問題ないでしょう。

東南アジアでの「エビ養殖事業」なども詐欺の例が多く報道されているので要注意だと言っても大丈夫だと思います。

では、「ワイン投資」や「絵画」あるいは「馬主」はどうでしょうか。

もちろんワインを自分で楽しむとか、絵画を愛でて楽しむとか、重賞レースで持ち馬が勝つ名誉とか、金銭的に測定しにくい要素はありますが、それらを除いた純粋な金銭的な投資としてはお勧めしにくいですよね。

あるいは、「外国為替連動型終身保険」「貯蓄型保険」「学資保険」などはどうでしょうか。

一般のファイナンシャルプランナーは悪くは言いませんよね。むしろ、それらの販売手数料が高い商品を売ることができれば利益になるし、批判をすると販売元からセミナー講師などのオイシイ仕事をもらえずに干されることにになるので。

私のような利害関係のない者であっても「もしかして内容証明で営業妨害だと言われると嫌だな」と考えると、どうしても自粛しちゃいます。でも、個人的に知り合いに相談されると「そんなのダメでしょ」とか「住宅ローンの繰上げ返済のほうが先」とか正直に答えちゃいますけど(笑)。

ソーシャルレンディング」については、かねてから法整備が不十分だと言われていましたが、最近それが表面化しつつありますね。触らぬ神に祟りなし、でしょうか。

証券取引等監視委員会は6日、ネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディング最大手のmaneoマーケット(東京・千代田)を行政処分するよう金融庁に勧告した。募集時の説明と異なる目的に流用されたのを見過ごすなど、管理体制に重大な不備があったため。流用額は少なくとも10億円以上で、焦げ付くおそれがあるという。
(日本経済新聞/2018年07月06日)

ビットコイン」は基本的にゼロサムゲームなのですが、取引所が取るスプレッド(売買価格の差)が大きすぎることは既に明らかになっています。問題を起こした取引所があれほど儲けていたことからも分かりますよね。

同じゼロサムゲームなら、スプレッドが極めて小さい「外国為替証拠金取引(FX)」の方がマシでしょう。

いずれにしても、投資に関する情報はネット上に溢れていますが、その情報の発信者の立場を理解した上で内容を割り引かないと地雷を踏んで爆死することになりかねません。自社の商品を売りたいのではないか、販売手数料を得たいのではないか、アフィリエイト広告で収入を得たいのではないか…と疑ってみることも必要です。

“自分の知らないものに投資をしてはいけない”

投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏は「自分の知らないものに投資をしてはいけない」と戒めています。

まさに金言ですね。

言葉の重みが違います。

株式・不動産・債券

私の知る限りでは、投資に値するものは「株式」「不動産」「債券」の3つの資産だけです。これ以外の商品は地雷原を歩くようなもので、怖くて手を出すことができません。

もちろん、株式投資も倒産によって紙切れになることがあり、不動産投資でも最近の「かぼちゃの馬車」事件のように投資家が大きな負債を抱えてしまうことがあり、債券投資も倒産によって元本さえ戻ってこないこともあります。

確かにそのリスクはあるにしても、「株式」「不動産」「債券」は他の商品への投資に比べて、投資家が法律によって保護されているのが最大の魅力です。また、税制も有利な側面が多く、参加者が多いので情報の質と量が充実しており、提供されるサービスも業者間の競争原理によって投資家に好ましいものになっています。

一般向けなら株式投資

株式・不動産・債券の3つの中で一般的なのは株式投資でしょう。

株式市場では、個々の企業の個別銘柄を買うこともできるし、たとえば「日経平均株価」などの株価指数(インデックス)を丸ごと買い集めたものを小口に分割したETF(上場投資信託)を買うことができます。

あるいは、リート(不動産投資信託)で不動産を買うことも、ETFで債権を買うことも可能です。

また、個人的にはあまりお勧めをしませんが、金(ゴールド)・原油・穀物などの商品もまたETFで購入できます。

このように、株式市場はビークル(乗り物)として他の商品(不動産や債券など)も扱っているので大変に使い勝手がいいですね。

少し癖のある不動産投資と債券投資

現物の不動産投資は人気がありますよね。私の知り合いにも不動産投資が好きな人が何人かいて、それなりに成功しているようです。

ただし、不動産投資は当たり外れが大きいので(文字どおり)土地勘がないとババを掴むこともあるので難しいですね。案件あたりの金額が大きいので一発勝負になりやすい点も注意が必要です。

また、そもそも不動産投資の最大のメリットは、高額の給与所得者にとっての節税効果にあります。

高給だと累進課税によって高率の所得税・住民税を課税されるのですが、ローンを組んで不動産投資をするとローンの利子を損益通算できるし、建物の減価償却も同様に損益通算できるので、給与所得から払うべき税金の額を低く抑えることができます。

逆にいうと、高額の給与所得者でかつ物件に関する土地勘がある人じゃないと不動産投資のメリットを十分に享受できないという感じでしょうか。

また、債券については、プロ向けの売買は1億円単位だったりするので桁が違いますよね。債券はよほどの資金がないと個人での購入は難しいでしょう。

ときどき「個人投資家向け」の社債があって、それなりの利回りになっていますが、その背景をよく考えた方がいいと思います。

投資不適格と格付けされている企業が、機関投資家にはよほどの高利回りでないと買ってもらえないので、会社の知名度をいかして個人向けに社債を販売していたりします。そもそも、機関投資家に1億円で1回買ってもらう手間と個人投資家に100万円で100回買ってもらう手間を考えれば、どう考えても前者の方が低コストなのに、わざわざ手間をかけて個人に社債を売るという背景には、そういう事情もあるんですね。

有名な企業であっても、格付け会社から「財務力が不十分」「債務不履行の可能性がある」「一般的には投機的」のような評価を受けてないか、ご自分で調べたほうがいいのではないでしょうか。

結論:投資に値する資産は「株式・不動産・債券」。一般には株式が無難

何を買うか — 私の答えは、投資に値する資産である「株式・不動産・債券」を買いましょう、ということです。一般には「株式」が無難だと思います。