数日前、日興アセットマネジメントから「上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)」(1680)の議決権行使書面が届きました。
「書面決議に関する書類」(計8ページ)が同封されていて、普段は読まずに捨てるか、読んでもせいぜい斜め読みをする程度なのですが、議決権行使書面(上の写真)に「お手数ですが、切手を貼って返信してください。」と印刷されているのが気になって目をとおし、結局、3回ほど読むことになりました。
私が読み取った範囲で、ざくっと概要をまとめると下記のとおりです(誤解があれば申し訳ありません。念のため、みなさんはご自分でご確認ください)。
- この上場インデックスファンド海外先進国株式(1680)は「つみたてNISA」の登録要件を満たしてないよ。
- 当社(日興アセットマネジメント)としては「つみたてNISA」の対象商品にしたいんだけどね。
- なので「株価指数先物取引を活用した運用から現物株式による運用へ実質的に変更」(ファンド入替)したいんだけどいいかな?
- この変更をするには、みなさん(ETF保有者)の3分の2以上に同意してもらって、約款変更をしないとダメなんだ。
- だから、みなさん、この議決権行使書面に自分で買った切手を貼ってポストに入れてね。後から62円分の切手は返すから。
- ちなみに、議決権行使書面を郵送しないと約款変更に同意したことにするよ。
- そうそう、旧ファンドの売却費用と新ファンドの買付費用が発生するけど、このファンド入替の取引費用はみなさんの負担だからね、よろしく。
- その代わり、信託報酬率は年率0.0108%程度を引き下げてあげるよ。いいでしょ。
- もし不満なら、議決権行使書面で反対の意思表示をしてね。そうすれば買い取ってあげるから。でも、送金手数料と買取計算書の郵送費用は請求するよ。
うーん…。
もちろん、おそらく手続きに瑕疵はないんでしょうけど…。
これって、「つみたてNISA」の対象にするための費用をETFの保有者が負担するってことですよね? で、その費用(額)の明示もなければ、ETF保有者にとってのメリットも書かれていないし。
しかも、上記の書類には、わざわざ、こんな言わずもがなのご丁寧な文章まで(尚書き部分。強調は筆者)。
議決権の行使をされたお客様に関しましては、お客様の情報を販売会社および受託会社と弊社との間で共有することにご同意いただいたものとさせていただきます。なお、司法機関または行政機関から法的義務を伴なう要請を受けた場合は、お客様に関する情報をお客様の同意なく当該機関に開示することがございます。
(日興アセットマネジメント株式会社)
気が弱い人は、「議決権の行使はためにならないよ」って言外に脅かされていると誤解しちゃうかもしれません(あくまで「誤解」です、念のため)。
日興アセットマネジメントさん、こんな顧客対応で大丈夫ですか?
老婆心ながら、親会社の三井住友信託銀行さんは当該ETFの受託会社なのでもちろんチェック済みなんでしょうけど、そのまた親会社の三井住友トラスト・ホールディングスさん(8309)のコーポレート・ガバナンスはこれで大丈夫なんでしょうか。
ちなみに、同じ趣旨で「上場インデックスファンド米国株式(S&P500)」(1547)の議決権行使書面も届いていました。もしかして「上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本」(1554)や「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)」(1681)も同じだったり。